「繁桝」では福岡県産(山田錦・雄町・吟の里・夢一献)を使用しています。
酒造りに適した米は「酒造好適米」と呼ばれ、食用米に比べて粒が大きく、米の中心部にある心白という部分が大きく、タンパク質や灰分含有量 が少ない事が挙げられます。 心白部は、麹菌の菌糸が中に伸びやすく、強い酵素力のある麹が出来、酒母、醪での糖化も良いのです。
「繁桝」ではカリウム、リン酸、マグネシウムを適度に含んだ矢部川の伏流水を使用しています。
酒造用水として有効な成分のカリウム、リン酸、マグネシウムなどは、麹菌と酵母の増殖を助ける重要な成分で、 これが不足すると製麹における麹菌、酒母における酵母の増殖が遅れ、正常な製造管理をする事が出来なくなります。 全体の約80%が水分である日本酒の醸造において、水質が大変重要である事は言うまでもありません。 酒造用水は製造しようとする総米重量の総量の20〜30倍必要といわれており、使用する目的によって醸造用水と瓶詰め用水の二つに大きく分けることが出来ます。
自社精米機で、時間をかけて精米し管理された米は、洗米へと 作業が引き継がれていきます。
高度に精米した酒米を手洗い、水分を吸収させる洗米、浸漬。
水を吸いすぎても 吸わなすぎてもいい酒にはならないのです。
ストップウォッチ片手に秒刻みで時間が計られます。
ほどよく水を含んだ酒米は、甑(こしき)と呼ばれる大型の蒸し器で蒸されます。
よい蒸し米は粘りと弾力があるといわれます。
麹室(こうじむろ)という部屋で、蒸し米の上に種麹をふり、麹菌が米の芯まで食い込むように育つのを待ちます。 麹造りは最も重要な工程の一つです。
酒は米の澱粉から分解された糖分を、酵母の力で発酵させてアルコールにします。 この酵母菌を育てるのが酒母です。 麹、蒸米、仕込みの水に酵母菌を加え酒母を造ります。 酒母は酒を造る元になる工程で別名「もと」とも呼ばれます。
出来上がった酵母には麹と蒸米、水が加えられて醪(もろみ)になります。
この仕込みは初添え、仲添え、留添えという三回に分けて行い、これを三段仕込みと言い、雑菌汚染を防ぐとともに発酵をスムーズに行わせる日本酒独特の方法です。
醪(もろみ)を酒袋に入れて搾ると、いよいよ酒が生まれてきます。
醪(もろみ)が出来上がると、味や成分をチェックした後、搾りの工程に入ります。
醪(もろみ)を酒袋に入れて圧搾することによって原酒と酒粕に分けられます。
その後、雑味を取り除く濾過、発酵を止める火入れを経て熟成のために貯蔵。
そして瓶詰めされて、繁桝の銘が施され出荷されていくのです。